八ヶ岳南麓の小淵沢町で、既存の住宅に薪ストーブを導入することとなりました。

元の状況はこんな感じ。
ビフォーアフターのビフォーがカッコ良すぎて困るんですけど・・・
レコード好きの私としても、このままでいいんじゃないかと思ってしまいます。
ですがここ八ヶ岳は寒冷地。真冬はマイナス10度が当たり前、去年の冬はもっと寒くなった瞬間がありました。

ストーブとレンガで200キロほどありますので、床を開けて床補強します。
床下に潜れると床を切らずにもできたのですが、こちらは床下に行けませんでした。
開口してみると、ギリギリ行けなくもないかな?ぐらいの強度でしたが、せっかく空けたので補強します。
レンガとストーブは静過重なので意外と大丈夫ですが、人も時々乗ったりしますしね。

炉壁と壁の間に通気層を作ります。
通気層の上部には、虫が入らないよう、物が落ちないように金網を入れています。

今回は本物のレンガを積むのではなく、レンガをスライスしたスライス・レンガ・タイルを使います。
写真のレンガは炉台用の本物のレンガです。(ややこしい)
炉壁は木枠で囲い、タイルの基盤として旭化成のパワーボードを使います。
この方法のメリットとして、
1.コストが安い
2.レンガ積みより炉壁の厚さを薄くできる
3.レンガ積みよりも薪ストーブの熱が背面の壁に伝わりにくい
などがあげられます。

炉壁にはホームセンターのレンガ、周囲には奥様のお好みでテラコッタ調タイルを敷き詰めました。

2色のテラコッタ調タイルを織り交ぜて、敷き詰めています。
タイルを並べたり、木枠の塗装はお施主様のDIYです。

ここで追加の仕事が発生しました。
元からあるシーリングファンですが、6Mの吹き抜けなのに風向、強度の調整が本体でしかできず、まったく操作できません。

足場を組んで、リモコン付きのシーリングファンに交換しました。

左官屋さんによるスライスレンガの貼りつけ。
貼っているのは、山梨県では現在ただ一人の女性の1級左官技能士です。
ご主人は見るだけ?ではなくカットしています。

いよいよ煙突のための天井抜きです。
天井抜きを嫌がって壁抜きをする人もおられますが、薪ストーブの安定した燃焼には、上昇気流を妨げない直筒ができるだけおすすめです。
ただしそれにはしっかりした手順で行わないと雨漏りにつながるため、確かな技術と経験が必要です。

屋根の垂木の位置とストーブの設置したい位置の関係上、どうしても一か所だけ曲がりを入れる必要がありました。
上昇気流(ドラフト)を極力妨げないよう、45度の曲がりを使っています。

八ヶ岳は意外に雪が降らないのですが、それでも屋根の下側に位置しているため、耐雪性能の高いフラッシングを使っています。
またこのあと雪割りも設置します。

火入れ実験開始。ちょうど寒くなり掛かったシーズンで良かったです。

機種はダッチウエストのエクスプローラー2です。
実はこれ、展示場に展示していた中古品です。
といっても新品とほとんど見分けがつかない状態でした。
実は2022年あたりから薪ストーブの排煙基準の強化により、現在のストーブは大変暖房性能が落ちています。
そういった意味では、中古のほうが暖房機としては良かったりします。
排煙基準も大事だけど、部屋を温めずに地球ばかり温めるのも、それはそれでどうなんだって感じですね。

工事が終了し、コーヒーを頂きながら火を眺めるストーブ業者さん夫婦。
考えてみれば、炉台炉壁のベースを作った私たちも夫婦、左官屋さんも夫婦、ストーブ屋さんも夫婦で施工しています。

そしてお施主様ご夫婦。
元々奥様のご希望で導入した薪ストーブですが、大変喜ばれておられました。
HPへの写真掲載許可をいただけるのもありがたいのですが、実はこの写真、すべてお施主様に撮っていただきました。
わがままで撮影をお願いしたのですが、各工程を実に細かく撮っていただき、大変感謝です。
普段はついつい現場優先になってしまい、終わってみるとほとんど写真が無いということが多いため、とても助かります。
なにより喜びの表情がうれしいですね。

これから、テーブルやオーディオなどを復帰して、とても素敵な空間が出来ていくことでしょう。
その時は、またコーヒーを頂きにきます!(と勝手に決めています)