静岡市の清水港近くで、脱衣場付のサウナ小屋を施工しました。
以前から脱衣場つきのサウナ小屋を作りたいと思っていましたが、なかなか機会がありませんでした。

お客様は奥様が看護師学校を経営されており、激務で精神的なストレスも多く、ご自宅の空きスペースに、リラックスできるスペースが欲しいということで、サウナ小屋を探しておられました。
ネットで20万円台から買えるバレルサウナ小屋などがあるのを見つけ、実際にはオプションなど付けると40万ぐらいになるかなと思って話を聞きに行かれたのですが、最低限必要なヒーターや運搬費、設置工事、電気工事だけで200万近くになったそうです。
弊社ではバレルサウナも扱っているのですが、正直20万円台で販売するとしたら、展示品処分、または不良在庫などをお客様がトラックで引き取りにきてもらい、ヒーターもベンチもお客様手配ぐらいしか考えられません。
それでも事務手数料などを考えると事業として成立しない価格なので、実際には存在しない商品だと思っています。
話がそれましたが、ネットを色々検索して弊社のサウナ小屋を見つけられ、これはいいかもと思われて問い合わせ、事務所に来られました。
弊社が扱っているのはフィンランドやエストニアのメーカーから直接取引で輸入しているバレルサウナ、ログハウスサウナのほか、代表者である村浜が設計製造しているオリジナル・サウナ小屋などがあります。
その内容や特長などを紹介したところ、高いお金を払うのであれば、本当にいいものを建てたいということで、八ヶ岳むらはま工房オリジナルのサウナ小屋を気に入っていただけました。
最初はこれまで弊社が作ってきたサウナ小屋と同様、サウナ室のみの小屋の予定だったのですが、森の中とかではなく住宅地なため、脱衣場も欲しいということになりました。

そこからサウナ室をゆったり広くしたいとなり、個人住宅向けのサウナ小屋としては内寸2M角の大きめなサウナ室となりました。
サウナ室は電気にしても薪にしても普通の暖房より熱量が必要なので、できればサウナ室は必要最低限な大きさのほうがいいです。
一方で、サウナ施設で広いサウナ室があると、気持ちいいですね!ここはバランスが難しいところです。
施設とちがって他人と同室にならないプライベート・サウナでは、狭いサウナ室もまた落ち着くものだと個人的には思っています。
そして脱衣場にクーラーを入れたりサウナ室にスピーカーを設置してスマホから音楽を聴いたり、サウナ室から脱衣場に置いたタブレットを見たいといった話になり、なんだか多機能サウナ(?)になってきました。

サウナ室は節からのヤニだれを避けるため無節の東濃ヒノキを使用、いっぽう脱衣場はヤニ垂れをそこまで考慮しなくてもいいので、北欧の節のあるパイン材を使いました。実際に見ると新品のうちは写真ほど節は気になりませんが、経年変化すると写真に近いぐらい節が目立ってきます。節がパインらしくて好きな方も多いですが、節が気になる方は、予算があれば無節にするか、塗装をすることをお勧めします。
半透明の塗料でも、たとえば白などに塗ると全然印象がちがってきます。
熱源に関しては薪ストーブと電気ヒーターどちらも対応できるのですが、温度管理や手間の面から電気ヒーターになりました。
敷地の空きスペースにあまり余裕がないため、屋根の出はなくし、玄関に小庇もつけないことになりました。


次回、機会があれば屋外テラスがあって水風呂や外気浴スペースも作りたいですが、それはまた次の機会に。
弊社のサウナ小屋は断熱性をもっとも重要視しているため、壁厚が15センチあります。
壁の中は調湿性のある充填断熱と高性能で耐熱温度の高い内張りボード断熱の二重断熱になっており、そのあとフィンランドから輸入したアルミ遮熱シートを貼り、さらに室内に3センチの空気層があります。
室外側にも1.5センチの空気層があります。
それにより、一度温まったらなかなか冷めず、サウナ室の壁全体からじんわり放熱して気持ちいいという空間を実現しています。
断熱と防湿というのは技術的にめちゃくちゃ難しいことをしているわけではありません。
蓄断熱性にこだわっている会社は残念ながら少ないように思います。
写真を見ても壁の中は見えないため、広告効果はあまりありません。
自動車のように誰もが持っていて、友達に聞けば各メーカー、あるいは各車種の特長や感想を聞けるのとはちがい、友人がプライベート・サウナを持っているという人が極めて稀です。
たとえプライベート・サウナを持っている友人がいたとしても、その人が何棟もサウナ小屋を買い替えてきたわけではないので、実際にその小屋がどのくらいのクオリティーなのか判断できません。なので私の夢は、富裕層でもない誰もが当たり前にプライベート・サウナを持てて、誰もが当たり前に高品質なサウナに日常的に入れることです。
さて、工事は2025年1月半ばから開始、特注仕様が多かったためパネル化できず、また現場判断することが多かったため、1ヶ月の工事期間が掛かりました。
工期は掛かりましたが、現場判断で進めたので、窓の位置を景色の見え方で微調整したり、ベンチの高さや深さもサウナ室の大きさや、お客様の身長、座高を考慮して施工できたので、結果的には満足度がさらにあがったと思います。

住宅地といっても東側は大きな川に面しており、山が見えて最高です。

脱衣場からサウナ室に入っていく扉は厚さ1センチのサウナドア。
こちらもフィンランドから直輸入。空気層がないのに、なかなかの断熱性です。

サウナ室のちょうどベンチ上段横に脱衣場が見える小窓があり、こちらはリトアニアのサウナ専門商社から輸入。
向かいの棚にタブレットを置いて動画を見るというのは、お客様のアイデアです。
タブレットの音声はBluetoothでサウナ室のスピーカーから流れます。
脱衣場の壁の奥の上のほうには、あとでエアコンを付けられるそうです。

上の丸い2つ、左の木の丸いのは自然排気口、右の白いのがスピーカーです。
サウナ専門商社から輸入したものですが、耐熱は100℃まで。
でもどこまで余裕があるのか。まさか101℃で変形はしないだろう。
そこでヒーターは110℃まで設定できるので、一度110℃にしてみたところ、見事に変形しました。

交換して100℃に設定したところ、何の問題もありません。
1℃ずつ上げて実験しようかと思いましたが、もったいないのでやめました。
スピーカーを付けた場合、100℃までにしたほうが良さそうです。
逆に高温のドライサウナが好きな人はスピーカーをつけるのはおすすめしません。
とはいっても木材のためも考えると、70℃~90℃でロウリュをして使うのが一番おすすめです。
これまで弊社オリジナルのサウナには9人のユーザー様がおられますが、その後のリサーチにより、80℃+ロウリュで使われている方が一番多いようです。FBやメールなどのフィードバック、また追加工事やお客様の内覧をお願いした際に感想を聞くのですが、皆様大変満足されています。
ちなみにスピーカーにつなぐアンプは真空管アンプ。
最近は非常に真空管が安いらしく、この機種も1万円前後でした。
最初はもっと安いものにつないだのですが音質が悪く、この機種にして結構いい音になりました。

サウナの音響でコストが掛かるのは、主にスピーカー線の取り回しや開口加工など。
そう考えると、音質にこだわる方は、アンプやスピーカーに1万円ずつ追加するともっと素晴らしい音を楽しめるかもしれません。
ただアンプはいいとして、スピーカーはサウナ用耐熱スピーカーという縛りがあるため、究極に音質のいいスピーカーは使えません。
そう考えると、このあたりがコストバランスがいいかもしれません。
いっぽう、このサウナ室はそのままマイホームシアターにもカスタマイズ可能です。
そちらでは、とことん音質にこだわるというのもありかもしれません。

ベンチ下の間接照明は弊社の標準仕様。なんか施設っぽくて、非日常感があっていいです。

ヒーターは中国製の単相200V 4.5kW。
日本のPSEに適合させられる会社は少なく、ここの社長は技術屋出身なので、技術面を良く把握しており、日本の法律基準も熟知しています。
弊社の電気ヒーター式サウナには最初からご協力いただいており、これまで6台、じつは毎回電圧も出力もちがうのですが、毎度毎度日本の電圧に合わせて抵抗値を調整していただいており、初期の頃は設置時にこちらは電気工事士、中国工場では社長が待機してビデオ通話をしながら配線のアドバイスをいただいていました。
ここの配線はこの太さのケーブルを使えとか一次側と二次側の線径のバランスが悪いと安全じゃないとか、色々教えていただきました。
正直、こんなに安全基準を大事にする中国の人もいるのだなと思いました。(失礼?)

こちらはヒーターの天井遮熱板。
4.5kWなので大して天井が熱くならないですが、サウナスパ協会の設置基準にしたがいます。
最初は黒の予定だったのですが、ひょっとしてオーナーさんの趣味だと白ではないか?と思い聞いたところ、白がご希望でした。
焼き付け塗装直前でギリギリ間に合いました。

壁の上部にあるのは、竿掛けです。
これは奥様のアイデアで、サウナの余熱がもったいないので、サウナにはいったあと、浴室乾燥室のような使い方をするそうです。
さすが、男には思いつかないアイデアですね。
こちらは余剰木材を加工するだけで作れるため、費用は掛かりません。
洗濯物が乾きやすいうえ、熱によるサウナ室の過乾燥を防ぎ、木材の痩せすぎを防ぐ効果があります。
皆様ロウリュの水分でカビが生えないかと心配されるのですが、実は余熱によってカラカラに乾きます。
このアイデアはぜひおすすめですよ!と言いたいところですが、先日感想を聞いたところ、まだ竿を買っていないので干したことが無いそうです。

ちなみにサウナ室の背もたれ、ベンチ、床のスノコは外して外に出し、丸洗いができます。
フィンランドでは半年に一度、スノコを水洗いして天日干しするのがおすすめだそうです。
また色んな会社がサウナの壁用、スノコ用の保護塗料やワックスを発売しており、高温になるサウナ環境でも問題なく使用できます。
その後ご使用状況を確認したところ、奥様はもちろん、サウナにそれほど興味のなかったご主人もサウナ好きになり、頻繁にはいられているとのこと。
弊社にとって、これは一番うれしい反応です。
別荘を作っているときも、最初に想定していたより頻繁に通っていると言われるのが一番うれしいのです。
今回のサウナ小屋はゆったり入りたいということで、内寸2M角のサウナ室になっています。
広いしゆったり寝られるのでお客様は喜んでおられましたが、同時に建材のモジュールから外れるため、結構費用が掛かりました。
私が中に入った感想では、1.8M角でもプライベート・サウナとしては十分な大きさだと思います。
1.8M角の断熱性の高いサウナ室と脱衣場、電気ヒーター、LED間接照明、真空管アンプとステレオスピーカー、収納式ベンチなどなど、色々ついて、こちらで400万円を切ります。(400万円~ではなく、<400万円です)
なお、さすがに400万はキツいという方は多いと思いますので、輸入したサウナキットも適正価格で販売しています。
断熱性では弊社製造品には負けますが、お手頃価格でデザイン性もあり、値段もいざ商談してみたらHPや広告の3倍も4倍も掛かるわけではありません。
電気幹線の増強が必要とか、設置場所が、斜面であるなどの特殊な環境の場合、さすがに追加が大きい可能性はあります。
施工エリアに関しては、今回の清水区はどうしてもやりたかったので請けたのですが、通常は現場組立は八ヶ岳周辺しか対応できません。
一方、屋根の出がない作りにすれば、完成品をユニックで持っていくことも可能です。
家の裏とか樹木や電線が多いといった環境でなければ、完成品を持っていって吊っておろすことも可能です。
この場合は全国販売可能です。
今回のように内寸2M角などモジュールが崩れると400万円を超えてしまいますが、1.8M角であれば、400万円で製造可能です。
他社の400万円モデルと比較してください。
できれば広告の文言や広告写真で比較するのではなく、実際の施工物件を見せてもらって比較して欲しいです。
お問合せは、八ヶ岳むらはま工房までお願い致します。