1年半の開発期間を要したプライベート・サウナがいよいよ出荷です。
お客様から依頼があってから、実に長い期間が掛かりました。
試作機1号で空間の感じを確認してもらって依頼を請けましたが、
2号機はヒーターと壁の離隔に不安があり、3号機は空気の流れが意外と快適でなく、この4号機にて、やっとお客様に出せるものが出来ました。結局受注金額の4倍の経費が掛かりましたが、今後のための大きな知見、ノウハウを得ることができました。


トレーラーに乗っていますが、お客様の持っていたトレーラーで、気楽にこれを乗せてキャンプにいけるわけではありません。しょっちゅう運んでいると転倒のリスクがあるので、引き取りに利用し、あとは庭などに固定して欲しいです。

「サウナ小屋 断熱性」と検索すると八ヶ岳むらはま工房が真っ先に出るように、開発当初から弊社は断熱性にはひたすらこだわってきました。
外気温と室内温度が極端にちがうサウナ小屋は、たとえば外気温が氷点下の中でサウナ室を100度に上げるのはとても難しいです。
80度ぐらいまでは割と簡単にあがってしまうのですがそこからは急に上がらなくなってきます。
八ヶ岳むらはま工房のオリジナルサウナはそこで止まることなく、またその高い断熱性によって上がった温度を長時間維持します。
プライベートサウナでなくても、皆様はオイルヒーターやホットカーペットを買って、あまりに電気代の高さに結局使わなくなったということはないでしょうか?
プライベートサウナも同じで、せっかく買ったはいいけれど、タクシーのメーターのようにどんどん上がっていく電気代が気になって、結局ととのうどころではない、とてもじゃないけど毎日入る気になれないという話を良く耳にします。

プライベート・サウナは、以下のことが重要だと考えます。
(安全性とか、コスパとか当然のことは除外して書きます)
1.サウナ室が小さく、それでいて快適に過ごせること。
極限環境ともいえる温度まで上げるサウナは、防火性を保ちつつ、間を出来るだけ小さくする必要があります。
(薪ストーブサウナは異常な高温になったり、より離隔が必要なため、一回り大きくてもいいです)
ただそれで出入りが狭いとか、体を折り曲げて窮屈、圧迫がある、ヒーターに体が当たってしまうとかだと、とても快適とはいえず、とてもととのうことはできません。これは設計上の勘どころと経験が大事で、私は作っては入って居心地を確認ということをひたすら繰り返し、小さくて快適なサウナ小屋を作っています。

2.高い断熱性で、温度が上がりやすく、さめにくいこと
前述のように日々の電気代や薪代を考えると断熱性はとても重要で、断熱性を高めることは同時に防音性も高まるため、よりサウナ室内を外界と遮断した空間に近づけることがでkます。
八ヶ岳むらはま工房のサウナ小屋は現在Bluetoothスピーカーも標準装備しているため、施設では難しい、自分が好きな音楽や音声番組、自然の音などを聴きながらリラックスすることができます。

3.ロウリュができること
一部ドライサウナ志向の人もいるのですが、ほとんどの人はロウリュを好みます。
施設ではなかなかセルフロウリュができないため、自分のタイミングでロウリュできることは、プライベート・サウナの魅力の一つでもあります。

その他は清潔に保ちやすいとかリフォームしやすいといったこともあると思いますが、こちらはまた別の機会で説明したいと思います。


充填断熱、熱遮断通気層内部の通気胴縁(1層目)。
この時点ですでにほとんどのサウナ小屋では行われない手間と資材ですが、これでまだ半分です。
本機は最新バージョンなので非公開ですが、過去動画で2バージョン前の壁構造は公開しています。
(すでにその時点で市販のサウナ小屋と大きく差をつけています)


中は東濃ヒノキの無節です。
製作中、入った人の誰もがその香りと居心地の良さを絶賛してくれました。
また外から見るより意外とゆったりしてるねと驚かれます。
私は写真素人でこれもスマホで撮った写真なので、狭いのに広そうに見える写真なんて撮れません。
しかも壁がペラペラではなく外から言うと、
外壁、通気層3センチ、透湿防水層、充填断熱45mm構造体、高性能耐熱内張り断熱25mm、アルミシートによる熱遮防水層、格子状の二重通気層、無節国産ヒノキの内装と、。実に9層構造になっています。
このため、温まりやすさと保温性は他の追随を許しません。
実は弊社のサウナの壁構造は、多くの設計事務所やサウナ事務所から探りが入ってきます。
(案件があるフリをして、構造図面を要求してくる)

もちろんコア部分の納め方や施工法はお知らせしませんが、2つ前ぐらいのバージョンの構造は、ざっとお知らせします。
だがそういった、楽してノウハウをパクりたいだけの業者は、いかに安く作って(仕入れて)高く売るかしか考えていないので、こんな手間が掛かって材料費も掛かる、ものづくり志向のやり方は決して真似しません。
私もたくさんの同業者と情報交換をしますが、ほとんどの人が興味があるのは利益率で、いかにいい物を作りたいかというものづくり志向で共感してコラボしている方はごくわずかです。


お客様がトレーラーをお持ちだったので、連れて帰られました。
お客様はご自宅に5棟のサウナ小屋をお持ちのマニアです。
弊社はマニアやサウナの有資格者、サウナ好きの超セレブにもサウナ小屋を届けて毎回お褒めの言葉をいただいています。
はたして今回は「八ヶ岳むらはま工房のサウナは次元がちがう」と言っていただけるでしょうか?
楽しみであり、不安もあり。だけどこれからもより素晴らしいサウナ製造を追求していきたいと思います。

長い時間を掛けて開発したサウナ小屋だったので思い入れも大きく、八ヶ岳のヤードから佐久までストーカーしてしまいました。(まあ写真撮りたかったのと、安全に走行できるか心配だったのですが)

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