2023年7月に軽井沢に納品予定のサウナ小屋を製作中です。
毎回改良を重ね、今回でバージョン6になりますが、今回はこれまでのパネル構法ではなく、在来構法となりました。

刻みは、群馬で手刻みの伝統構法やログハウスを手掛けておられる、小山さんにやっていただけました。
ご自信で設計、刻みされた自宅がその年のログ・ハウス・オブ・ザ・イヤーの読者賞を受賞された小山さん。
大工やログビルダー界隈では名の通った人で、受けていただいて幸運でした。(ただよく考えたら「八ヶ岳で1棟1棟手作りしています」のキャッチコピーを変更しないといけません)

八ヶ岳の弊社作業場に運び、小山さんも来ていただいて仮組みに入ります。

土台には、安全性の高いホウ酸を塗布します。ホウ酸は無色でどこまで塗ったかわからないので、食品添加物の着色料で色づけして塗装します。

各部おさまりの検討、ストーブの温まる早さや、どれだけ温度を維持するかのチェックのため、今回は躯体は仮組します。

断熱材は今回からは旭化成のネオマフォームを使用。
前回まではロックウールを使用していました。
普段建築ではグラスウールやロックウールを使用せず、ポリエステル素材のパワーマックスやパーフェクトバリアといった商品を使っています。

しかしサウナは高温になることから、耐火性の高いロックウールを使用していました。
ただそれだと防湿層を作るのが大変で、また換気扇や電気配線が大変になりますし、カスタマイズ性も低くなります。キットの仕様が複雑化することもネックでした。

同じボード系断熱材でも、スタイロフォームなどは押出法ポリスチレンフォームで耐熱性も弱いですが、ネオマフォームはフェノールフォームで120度までの耐熱性があり、断熱性もスタイロフォームよりはるかに高いです。

間柱の間に入れていくのではなく、45角のパネルの内側にネオマフォームをはることにより、ヒートブリッジ(熱橋)を防ぎます。いわば、外張り断熱を内側にやるといった感じです。

中から見るとこうなってます。端部の3センチの隙間は最終的に、細切りのネオマフォームでふさぎます。
また防湿のため、継ぎ目や端部の隙間はアルミテープやコーキングでふさぎます。
ただサウナは換気が必要なため、壁体内は気密にするのですが、まったく気密にはせず、通気口2ヵ所が必要です。

標準仕様として、室内側、屋外側それぞれに通気層を設け、板材を貼ります。
極寒冷地などでは、オプションで間柱間にもパーフェクトバリアを充填、また壁厚をあげれば、断熱性をさらにあげることも可能です。
現段階でもかなりの断熱性ですが、単純なカスタマイズとわずかな増額で世界最高レベルにあげることも可能です。
作り自体が断熱構造になっていないと、断熱性をあげるのは難しいです。

今後ストーブを入れてデータ取りですが、現場は軽井沢。真冬にはマイナス20度を下回ることもあります。
ところがここ八ヶ岳の標高1000メートルの弊社作業場でも、昼は20度になる日もあり、真夏には30度近くになる日もあります。
条件が緩すぎるため、通気層、間柱の充填断熱を入れずにまずデータ取りしたいと思います。

今回は内装はサウナ用に開発された脱脂加工の吉野ヒノキ。外装は国産杉です。
当初7月完成の予定だったのですが、現場の別荘地が夏休みに入り、現在設置する建物自体の工事が中断しています。
10月に設置予定ですので、また報告します。