今日からまた4日間、森林・林業セミナーが始まりました。
7月から毎月4日間、12月まで合計30日の日程です。
場所は塩尻市の、長野県林業総合センター。
県産材利用の促進を謳っているだけあって、建物には信州産カラマツがふんだんに使われています。
ある意味、無理矢理あっちこちにカラマツを使っているという面も否めません^_^;
今日8月6日の午前中は森林計画制度。
長野県の森林面積は約106万ヘクタールで、北海道、岩手についで全国3位。
森林率は78%で、高知、岐阜、島根についで4位です。
長野県の特徴は、急峻な山が多いために人口林率が低いこと、標高の高さからカラマツが多いことです。
午前中に印象に残った言葉は、
「山林の所有者は、自分の山の位置を知らない。無関心であることが多い。整備されずに、放置されている森林も多い」
長きに渡る国産材価格の低迷、林業従事者の高齢化などに加え、諸外国と違うのは多くの地権者が小さな面積の山林をそれぞれに持ち、しかも関心が低いため、森林整備はうまく進んでいません。
その後、森林計画制度の変遷、森林計画など難しい内容が続きましたが、午前中最後になり、GPSやGIS(地理情報システム)についての解説がありました。
GISは今後、森林整備の強い味方になりそうですね。想像していた以上に色んなことができるようです。
フリーソフトのカシミール3Dの紹介もありました。
そういえば、書店で登山関係のコーナーに行くと、カシミール3Dの使い方を解説した本を良く見かけます。そうか、そういうソフトだったんだと納得。
午後は造林補助制度の概要。
講師の方の「講義する私が寝てしまうかもしれないほど、辛い時間になると思います」という宣言でスタート。
確かに複雑極まりない講座内容でしたが、今後自分の仕事に関わるかもしれないので、頑張って聞きました。
しかし結局分かったのは、補助制度は個別の案件で担当者に聞くしか分からないということでした。
ただ途中ちょっと感動したのが、喬木村の九十九谷のエピソード。
戦争で日本の山は奥深い急傾斜地に及ぶまで、禿山になりました。
戦後日本は森林の復活を目指すわけですが、そこで活躍したのが女性たちでした。
男たちは戦争で死んだり傷ついたりしたため、女性たちが山奥の急傾斜地に植樹したのです。
しかも斜面が急峻すぎるため、一旦段々に整地しなければならず、まずは何十キロものセメントと水を背負って急な山を何往復もしたということです。現在の森林の復活はこういった人達の努力の結晶なのですね。
ただ、そこまでして復活させた森林が外材に押されて荒廃しているのはとても残念です。
まあ、ふだん北欧ログハウスの輸入に関わっている私が言っても説得力が無いですが。
これからは国産材利用の道も探っていきたいと思います。
最後あまった時間で、長野県の採種園の紹介がありました。
長野県には7つの採種園があり、県内の植林のための種苗を生産しています。
現在はマツクイムシへの抵抗性アカマツ、少花粉スギ、捻れの少ないカラマツなどが品種改良により生産されています。
その他FRプロジェクトという、伐採した木をすみやかに山から出すプロジェクト、平成28年の植樹祭の話など多岐に渡りました。
そろそろ脳がオーバーフローするか?という段階で本日の講義は終了。
明日は救急法の講義です。(実技ありらしい)