第1号。八ヶ岳

日本の職人が開発したオリジナル設計のサウナ小屋

誰でも持てるサウナ小屋。
日本人の志向に合わせて作るオリジナル設計のサウナ小屋を紹介します。
複数のサウナ小屋を色んなバリエーションで置きたい。
建築確認が必要。
市販のサウナの断熱性では満足できない。
そんなお悩みがあれば、ご相談ください。

サウナに興味のなかった私が、どハマりしたサウナ小屋作り

世間でサウナブームなんて言われだしたのが何年前でしょうか。
サウナーでない私は家作り、小屋作りも忙しく、特に興味を感じていませんでした。
なによりも、自分がサウナーでないので、どんなものがいいサウナかもあまりわかりませんでした。

ある日、前から付き合いのあった蓼科の薪ストーブ作家、ケンズメタルワークの高橋さんから、ストーブを置くためのサウナ小屋の開発依頼がありました。
建物の構造体、断熱構造をゼロから設計し、薪ストーブも専用に設計されたサウナ用薪ストーブです。
聞けば高橋さんは、若いころから毎週のようにサウナに入っているヘビーサウナー。
サウナのことをよくわかっている人が一緒に開発してくれるなら、やってもいいかなと思いました。

ところがやってみると、普通の小屋を作るのとちがい、とてつもなく大変です。
単なる箱を作ればいいと思っていたのですが、まずサウナというこの超特殊な環境、70℃~90℃という状況を早い時間でバカみたいに薪を使わずに作るのがなかなか困難です。
さらに、その温度を維持するのは、もっと難しいのです。いくら目標の温度に達したからといって、そのあと頻繁に薪をくべていないといけないようでは、ととのうどころではありません。
そこで、高橋さんから提言されたのは、一度温度があがったら、時々木っ端をくべる程度で、小屋の中で炎を眺めながらボーっと過ごせる茶室のような居心地の瞑想サウナです。

まあこれは、壁、屋根に断熱層、室外、室内に通気層をしっかり作ることで割と早期に実現できました。
ところがしっかり高温になるゆえ、色んな問題も出てきました。
ヤニが垂れる、油分が揮発する、温度が上がりすぎる・・・

ひとつひとつ問題をクリアしていくうち、気がつけばサウナではなく、高性能なサウナ小屋作りにどハマりしていきました。
難しければ難しいほど、開発していて楽しいということに気づいたのです。
そこでわかったのですが、北欧の室内設置のサウナは本当によく考えられている。
だけど、屋外に置くサウナ小屋は、断熱性があまりよくないものが多いのです。
これは恐らく、室内設置とそれほど変わらない金額で買えるようにしているのでしょうか。
だけど、そんな断熱性の小屋では薪をくべるのに忙しすぎて、サウナでリラックスしてととのうことなんてできるはずがありません。

そこで開発したのが、しっかりと温度があがり、あがったらなかなか温度が下がらない高断熱性と、
北欧のしっかりした快適な室内空間に、日本のわびさびの心を融合させたサウナ小屋でした。

結果的には、市販のサウナ小屋では満足できないヘビーユーザーの方々に、いち早く注目していただけることになりました。
その中には銭湯紹介サイトの運営者、サウナ・インストラクターといった専門性の高い方もおられ、喜びのメールをいただくようになりました。
さらにお客様のプライベート・サウナに招かれたお客様からご指名を受け、ちょっとずつ製作を重ねてきました。
2023年は常連様以外のリフォームの仕事をすべてお断りし、サウナ小屋の研究に明け暮れています。
そして、今年製作する第6号からは、パネル式から在来構法へと大きな変更があります。
これは断熱性能は維持しながら現場施工性をアップし、同時に防湿層の性能アップに取り組むためです。

ここでは、八ヶ岳むらはま工房のオリジナルサウナ小屋の開発の流れをご紹介します。

第0号 蓼科 プロトタイプ

蓼科の薪ストーブ作家さんである、ケンズメタルワークの作業場内に、まず試作品を作りました。
すでに同じタイプのサウナ小屋を作られていた高橋さん。ヘビーサウナーである高橋さんご自身で体感して、その快適性には自信がありました。
そういう意味では、八ヶ岳むらはま工房のサウナ小屋キットとしては0号プロトタイプなのですが、合同プロジェクトとしては2号機とも言えます。

本機は樹脂サッシの高窓を配置して、内側に木戸をつけ、うっすらとした明かりで瞑想できるサウナ小屋にしました。
また京都の小料理屋のようなイメージで小さなドアにし、ドアに一酸化炭素対策の通気口があります。
試作品では安価に提供できるよう単純な壁断熱のみで内壁もパインの板材を使用。
しかし50度を超えたあたりから、パインのヤニだれが発生しました。
そこで通気層を設け、ヒノキの板材を上張り。
結果的に断熱性がさらに良くなりました。
この断熱性向上による快適性の向上が思ったより大きく、結果的にサウナ小屋の断熱性というのが、いかに大事か、実感することができました。

その後、あまりの高温になるため、樹脂サッシが変形したので、樹脂サッシを自家製の木枠に変えました。実際そこまで熱くする必要はないのですが、うっかり100度以上になってしまうため木製窓に変更、結果的に面白味のある木製窓が出来ました。
(実験ではいいのですが、低温炭化という問題があるため、実際は70度でロウリュというぐらいのご使用がおすすめです)

高断熱性というのは温度のあがりやすさとともに、冷めにくさという意味でも非常に重要です。
皆様が訪れる多くのサウナ施設も、実はスタッフが細目に薪を足したりしています。
個人利用の場合、薪をくべるのはお客様自身になりますので、薪をくべるのに追われていては、ととのうどころでは無くなってしまいます。

キット化をめざし、現場での施工が早いよう、この時はツーバイフォーのパネル構造でした。

第0号。蓼科

「Sauna Buider」に掲載されました!

ケンズメタルワークさんのサウナ小屋キットの試作品と、この合同プロジェクトのサウナ小屋キット第0号の詳細はムック「SaunaBuilder ー DIYでサウナを作る本」で見ることができます。
ぜひ書店、AMAZONなどでご確認ください。

パーツ制作風景

第1号 山梨県北杜市 K様 別荘のサウナ小屋

シンガポールで会社経営されるK様。
多忙な合間に訪れる別荘は外壁やデッキにユーカリを使った、こだわりの山荘。
その横にひっそりと建つサウナ小屋を探しておられました。

K様は色んな会社にサウナ小屋を見て回られたそうですが、蓼科0号機を見て気にいられ、購入を決意されました。蓼科0号機と左右反転しており、高窓を中心からずらしています。

サウナ用薪ストーブのまわりにオプションのストーンケージを作っています。
温度の立ち上がりは遅くなるのですが、より冷めにくく、肌に来る熱さを和らげてくれます。サウナストーンを置くことは、木材の劣化、炭化を遅らせる効果も高いです。
その後のご報告で、問題なく快適に楽しまれているそうです。
断熱性という点においては、1号機でかなり高い水準にあったと自負しています。

このあたりから、どんどん協力者が現れてきました。
幸いサウナの本場フィンランドとログハウスで20年ぐらい関連がありましたので、知見がどんどん集まってきました。
同時に、世の中にこんなにサウナ好きがいたのかとビックリしました。

第2号 山中湖 K様 絶景のサウナ小屋

経営コンサルタントをされているK様。
サウナ・エキスパートの資格を取られたほどのヘビー・サウナーです。
山中湖の景色を一望する、フィンランド・ログハウスの豪華な山荘。
その一角に、サウナ小屋を乗せた展望デッキを計画されておられました。
冬は氷点下20度となる山中湖で真冬でもサウナを楽しむには、薪ストーブでしっかりと熱くなり、一度温まったら1時間以上温度の下がらないサウナ小屋が必要でした。
標準の内壁、外壁の通気層に加え、断熱材も倍に強化、結果、130度まであがり、放置しても1時間以上冷めないサウナ小屋が実現しました。
(木材が劣化するので、むやみに温度をあげてみないでください)
ただ80度あたりから、スギの油分が揮発して目がヒリヒリするという現象が起こりました。
80度の燃焼を8時間ほどやると、それが収まるということがわかりました。
お客様にはご迷惑をお掛けしましたが、この対応がよかったと大変もったいないお褒めのお言葉をいただきました。

この経験により第5号からは脱脂処理したサウナ用の吉野桧が内装の標準となるのですが、スギの香りも大変素晴らしく、心を落ち着かせてくれるので私は好きです。
脱脂した材は大変高いため、2-3回事前燃焼する手間に問題無ければ、普通のヒノキ、杉のほうがリーズナブルです。

また現在はエストニアの会社からアスペン、アルダー、サウナ用アスペンも輸入できます。
またフィンランドのログハウス会社から無節のスプルースを入荷できます。
ただしこちらはパレット購入なので、まとまった量が必要です。
木材の節はサウナによってヤニ垂れをしたり炭化することが多く、できれば無節がいいですが、節ありがダメというわけではありません。
自作の方などは、節ありでも安く抑えて、そこも含めて楽しんでしまえばと思います。

その後、お客様によるとロウリュをすると80度でも熱いため、70度前後の使用で十分快適ということらしく、真冬でも余裕の断熱性ということで大変満足されておられます。

第2号。山中湖

サウナ室内写真

第3号 軽井沢 K様 高台のサウナ小屋

著名人であるK様の所有する、軽井沢の景色が一望できる山荘。
全国の温泉を紹介するポータルサイトを運営するほどの温泉通のお客様です。

サウナ小屋と水風呂を装備した、絶景の展望デッキを計画されておられました。
全体計画の関係で特注寸法とし、色はシックな単色にまとめています。

内装は長野のスギを使用。2号と同じく最初の油分を飛ばすのに事前燃焼が必要ですが、それが終わると、サウナに良く使われるヒノキ、スプルースとはまたちがった落ち着いた香りを楽しむことができます。
冬季は氷点下25度前後になる軽井沢で、真冬でも十分に楽しめる断熱性を有しています。
その後、サウナ小屋に大変満足しているという、感想メールを送られてきました。
そこには友人たちとサウナ小屋に入ったあと、パノラマ絶景の水風呂に入ったとびきりの笑顔の写真が!
著名人の方なので写真は出せませんが、とてもうれしい気持ちになりました。
また、このサウナ小屋に訪れた、同じ軽井沢に別荘を持つお友達から発注をいただき、第5号へとつながります。

第3号。軽井沢

第4号 長野県原村 S様 森の隠れ家のサウナ小屋

サウナストーブを作っているケンズメタルワークさんのヘビーリピーターであるS様。
高橋さんが取り組んでいるものなら、絶対いいものにちがいない!ということで、無条件に購入を決意されました。
いやあ、そんなファンがたくさんつく会社にならなくてはいけませんね。信頼している、満足されたというのは当たり前、ファンになるというのは、やはりさらに上の努力をしないといけないなと思います。
基本的には第1号がベースになっていますが、小さな改良は1台ごとに取り組んでいます。

第4号。原村 ドアが未塗装です

第5号 軽井沢 4月製作開始予定

再び特注サイズのサウナ小屋になります。
今回から在来構法になり(これまではパネル構法)、まったくちがった断熱構造になります。
防湿層はこれまでより簡単に作れるようになりますので、現場の作業性がアップします。

基本構造はこれが最終形かなと(今は)思っています。
どんな作品になるか、楽しみです!

製作開始!ブログレポートはこちら

第6号以降

第6号から、さらなる防湿と断熱性を求め、形は同じ感じで構造を大きく変更、断熱材をこれまで標準だったロックウールから、旭化成のネオマフォームへと変える予定です。
現在、茨城県つくば市で施設のサウナ小屋販売のお話が進んでいます。
もし実現したら、首都圏のお客様に体験してもらいやすい施設が完成します。
手作りなので大量には作れませんが、一棟一棟工夫と改良を重ねた入魂の作品です。

お楽しみに!

サウナ小屋の金額ですが、現在の仕様で現地組み立て込みで280万円前後になっています。
「前後」というのが、資材価格の変動が激しいこと、現場の状況によって金額がかわるからです。
なにせ広告費をあまり使わっておらず、こんなに原価率の高いサウナ小屋は、日本どころか世界でも数少ないと思います。
工事面では、傾斜地、建築確認申請の必要なエリアは追加料金になります。
逆に内装の仕様などの調整で安くすることもできます。
また施設や大人数で利用するなど、大きくすることは可能です。
大きさが倍になったからといって、倍の金額になるわけではありません。
ただ大きくなるとそれだけ温まるのに時間がかかり、燃費が悪いので、最低限の大きさで作るのがおすすめです。
弊社の目標は、これまで「頻繁に訪れたくなる別荘」だったので、
サウナに関しては「頻繁に入りたくなるサウナ小屋」にしたいと思っています。
「週1で入る予定だったんですが、2-3日に1回はいっちゃってます」という言葉が聞きたくて、
日々製作と改良を重ねています。

弊社施工エリアは八ヶ岳周辺ですが、サウナ小屋に関しては関東圏はすべて対応致します。
また安全で簡単に施工できるキット化が完成すれば、全国にキット販売する予定です。

お問い合わせは、下の問い合わせフォーム、または0120-521-169 まで! フリーダイヤルは代表 村浜の携帯に転送されます。朝8時から夜8時ぐらいまでは大丈夫です!

    お急ぎの方は、その旨お書きいただければできるだけ急いで返信いたします。
    夜間に返信できることもありますので、夕方以外はメールのほうが早く返信できるかもしれません。
    電話連絡もOKであれば、電話番号をお書きください。